2018年10月28日日曜日

青春18きっぷ的すすめ 14 森の仕事 森の幸 ~諏訪郡富士見町沢入山 8





アカマツのやせ細った稚樹は思いのほか切れ心地がよかった。細い木だから根元から40~50㌢の高さのところでふた息程度で中ノコで切ると、ストンと落ちるが周りの木々に触れ合って倒れやしない。そこでもう1㍍上を切るとこれも倒れない。そこで切ったところを肩に担いで坂を駆け上がるとザザッと倒れた。


その爽快さを久しぶりに味わったが、何本か切っていくうちにマツの稚樹の根元がくねっと折れ、根元が露出した。




驚いたことにその根っこには根を張ったという跡がなくて「こいつは、ただでくの坊のように立っていたのか!」とあきれてしまう。


一般的にはマツの根は深く張る深根性であり伐採したら木の根が残っているものと思っていたが実際はそうではなかった。


ここの土は落葉常緑樹に覆われ腐葉土がしめている。山の端の上部にあたる斜面で水脈は深いところにあるのだろう。


アカマツは水や土からの栄養が主、陽の力は従の状態だと周りの違う樹種同士で癒合しているのではないだろうか。地上部の癒合は枝で見る機会があるが根っこは込み入っているという感じだ。日常茶飯事ではないだろうか、そうした状態は。だから稚樹はひそやかに、かくれるように森の中で居所をみつけることができるのだろう。

 
 
 

コナラなどの広葉樹が斜面をおおった青木の森の土地は、樹間に陽が深く射さないので稚樹の成長が遅く、のっぽの稚樹ではてっぺんだけが緑が天に葉を広げたり、多くは樹脂が皮剥けになって途中で成長を止めざるを得なくなっている。里山づくりが人の手で手をかけ根本に陽が射しこむ理想を掲げても木の太さや剪定対象の木を選択することの難しさ等から思いの絵図はいまだかけないでいる。


それは月日が経って少しずつ倒木対象の木を拾ってもいまだ変わらない。そこで思い切って松や杉などの針葉樹に絞って倒木作業を始めた。一昨年の秋つれ合いとチェックにかかり、倒木する対象木を20本近く、黄色いテープで目印にしたのが始まりだった。

 

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