2018年5月10日木曜日

ロードバイクで湖岸を走破   "奥野尻”

 
野尻湖を一周




  桟橋に係留したボートがにぎわしい野尻湖畔の中心部から甲比丹(カピタン)のイタリアンレストランを過ぎると、その陽気さとカジュアルティーがかき消される。野尻湖周遊道路を走破するスタートはレイクサイドホテルの係留場のボート群をよそに“奥野尻”へと一変する。
 

 のっけからの昇りヘアピンカーブは腰を上げペダルを必死に漕がないとぶっ倒れる。1分前ののんびりとしたロードバイクの車輪音と涼やかな車上感とは対照的だ。昇りカーブの突き当りにはホテルの看板が立っていて、それを過ぎると緩やかなカーブになる。湖周のコースがS字カーブの連続であることをまずおしえてくれる。


 S字のゆるやかな下りの突き当りの道がチェーンで閉鎖されている。ここらあたりから杉木立が続きしのぎやすい。そして下りのゆるやかなカーブが続き、スピードをあげるフラットな競争路になってくる。アスファルト道路は整備がそこそこで、そのまま順調にくねくねいくと大きく湾曲した下りカーブが一か所、二か所待ち構えている。
 野尻湖は別名芙蓉湖。ハスの花にたとえられ、カーブが入り組んでいて曲線路が多い。だが、右手の湖岸は切り立っていても、山側の崖は草土が主で時計回りに走るのでスピードがあがっても遠心力が働いて崖下に落ちるという心配がない。山側の崖壁もコンクリートで覆っていないためホッとする。


 杉木立の途中に斑尾山を望む展望台をみつける。そして二股路への下りは古海、斑尾方面の分岐点にくる。ホテル・エルボスコのしゃれた標識に沿って右手の周遊路を進む。ホテルへの枝道を確認しながら路はフラットでも湖面との落差は視界がさえぎられていても高度差を感じる。木立の中をスピードを上げていくと視界が開け、下り路の振動をサドルに感じながら菅川の集落に向け一気に下る。

 
 











  




 
菅川の集落はかつて夏の学生村といわれていた。湾のように水辺が大きく広がり黒姫山、戸隠の山々が前面に広がって晴れやかな気分を味わえる。ここから奥深い第二の山場に進入する。解体中の湖畔のレストラン・マルタを過ぎ。関連施設の温泉場跡の廃墟を後目に昇りカーブが続く。しばらくすると展望台があり、ゆるやかな下りの先に東洋英和の標識が見えてくる。眼下に木立が密集してバンガロー風の家々が点在している。
 

さらに下ると山側の開けた敷地に閉じたカトリック教会を通り過ぎる。ようやく昇り切って妙高山と黒姫山を見わたす第三の展望台に着く。この間の杉木立の深さやわずかに見える入り組んだ湖面の姿から野尻湖の最深部を走っていると感じる。


 この開けた展望台は古間方面との二股路に位置し周回コースの終盤路にさしかかる。だが、ここからがつらい。しばらく長い昇りルートが続きYWCAの入口に着く。鳥居の上にオブジェで告知した珍しい看板だ。この針ノ木地区の先に池があるが藪で見えない。ここを昇り切りホッとするのは危険だ。S字の下りカーブでスピードを上げすぎると遠心力で藪に放りだされてしまう。




 スピードを上げすぎないよう下りコースに気をつかっていると湖に向かう道と交差する。初めての十字路を一気に下りそして昇り切るとそこが中央大学のセミナーハウスだ。そこから道路幅が広がり佐藤工務所のカーブを昇り切り国際村の東ゲートを右手にルートを下り黒姫山と対峙しながらようやくの田園風景にひと息つく。




 再び山がちの杉木立に入りしだいに長い下り坂にさしかかる。スピードが出すぎるのが怖い。そろそろ湖面が見えてきた。フラットな道路になり湖畔側の別荘、普通住宅を見ながら左手の喫茶・ぼーしやを過ぎる。旧野尻湖小学校横を通過して宮川旅館。そして遊覧船の駐車場横を走り町営駐車場のある広場まで目の前だ。