「作業はやるの?」
「現場を見ないとわからないナ。」
二年近く、青木の森とはご無沙汰だった。さて、どんなところから始めるか、現地に着くまで正直わからなかった。荒れていればこうしてああしてと考え,道普譜の行き届かない急坂の林道をいつもより力ずよくアクセルを踏みこんだ。
大きくは変わっていなかった。第一次の伐採跡がそこかしこに残り、荒っぽいが中太の痩せ広葉樹や杉、松の切りぞこない、中折れぞこないの第二次伐採次第は意外に見事に倒れこんでいて整備の腰は砕けていないことが確認できた。林間の急坂を下り、陽が差し込む頃合い、緑色の木々の坂下に向かう深度が十分だと自分なりに納得できた。
そうなると、時間つぶしが残ってくる。つれ合いに「なにもすることがなかったら、山の上で太極拳でもしていたら」という戯言が容になってきた。僕の方も気分は夏の虫の観察などに関心が移ってしまい、ただただシートを敷いてコーヒーを沸かす。ここにきて初めての無駄なじかんを楽しんだ。
こうなると地域の入笠山行に気持ちも移り、花鳥風月の鑑賞を今日は山上で楽しみたいと思った。