2010年7月31日土曜日

青春18キップ的すすめ 6 飛騨市神岡町 スーパーカミオカンデ探検行は尻むけ覚悟のバテバテ旅 4



宇宙のメッカたれ!

既に日が変わり家までもう少しだというのにハーハー、ゼイゼイ。エコノミー症候群では?と疑ってしまう二日続きの狭く、長時間の高速バスの疲れが溜まってる。風呂に入ると皮が剥けて尻がヒリヒリする。

土曜日の朝8時・新宿発高山行き高速バス。出発そうそう運転手さんが「既に高速道は4時間の渋滞です」とアナウンスした。途中、休憩を早めに取っても大月あたりで10時半。松本で高速道を下り梓川高校の先でクラッシュ現場につかまり1時間の損。「迂回せよ」ではなく「待機」の本部指令がいらだつ。結局、高山に着いたら5分前に神岡行きバスが出てしまい、5時半発の7時着。バスの旅は計10時間半かかった。

 神岡町西里のバス停で下車して直ぐ携帯で営業所に確かめた、日曜日の午後1時24分発高山行きが俄然無視できなくなった。本数が少ないのはわかっていたが12時半前に解散してもらわないと、バスに乗れなくなり、購入済みのチケットが無効になり、東京にはその日のうちに戻れなくなる。強行軍もここまでくるとスケジュール闘争だ。

 しばし安堵で高山発4時半に帰りの高速バスに乗り込む。乗ったとたん「本日も高速道路は4時間以上の渋滞です。キャンセルの方が多くなっています」とバスの運転手さん。案の定、狭い椅子に体をくねらせ、うとうとして目が覚めるたびに回りは車ばかり。山梨の大野原辺りの頃は「まだか!」と思った。既に10時すぎ。

それが八王子の前に来て、運転手さんが新宿の到着は明日の午前12時5分頃の予定という話に渋滞の習慣になれた人はすごいことをいう、と思ったが、実際その時間に終着した。

 強行軍で分刻み行動の旅だったが、ところでその本命の「ニュートリノ探検隊」がそのタイトなスケジュールでありながら円滑な探検ツアーの運営力が売りだったため、それをバスの往復まで延長したのでバテバテ旅になったのだ、と改めて理解した。

 而して宇宙から飛来する素粒子のひとつであるニュートリノは体を通り抜ける幽霊のようなもの、と子供の質問に東北大学の学生講師が語っていたが、よくわからない。宇宙や太陽の起源を知るための施設の探検といっても、えたいの知れない何かなぞを調べているような、裏がある、あってほしい。

 山頂下1千m、片麻岩に囲まれ幽霊をキャッチするコクーンであるスーパーカミオカンデ、カムランドの施設と年間13℃の冷気にささえられ管理するコンピュータ、国際的な研究員達の日々の研鑽には年間億の経費がかかるという。とはいえ、山のメッカの富士山に並ぶ宇宙のメッカのカミオカになるのに10年かかってもそうあってほしい。