2012年7月15日日曜日

深い緑のアジア



1月3日 パキスタン ペシャワール(ユース・ホステル4ルピー)

1月5日 タクシラ(ユース・ホステル5ルピー)

1月6日、7日 ラホール 395㌦(370㌦、25㌦)

1月8日 ラホール(ヴェナスホテル6ルピー)

1月9日インド アムリッツアー 375㌦

1月5日
  バーミアンのお土産屋で買い物をした時、あなたは何人か、と問われ「ジャパニ・モンゴロイド」と答えた。その時、日本から持参した切手をバクシーシの手を差しだす子ども達にあげた。それで事は成立する。気持ちが大事であり、いちいちあわてたり、疲れを感じたりすることはない。相手がわかるメッセージでありさえすれば、旅行者だから、といって不安になることはない。
 
 パキスタンからインドに続く田舎の深い緑、緑の大木がここがアジアだ、というメッセージをつたえてくれる。緑を見た時の落ち着きとやすらぎは水をさしだすオアシスに他ならない。西から来た旅行者には、砂漠に慣らされてきた目が洗われる。インダス川を渡り、次の川が車景に現れるとナイル川を思い出すが、もうそれは残像であって、アジアの緑は濃いのだ。
 
(記憶遥か)
  パキスタンからインドに入ると深い緑は土色に慣れた目を癒してくれる。目を洗浄してくれる緑であり、アジアにたどり着いたという農耕の地の緑だ。列車は東に行く。一度も剪定したこともないような大木が次々と表われ、林に変わっていく。

 もやのかかる朝。沿線の人々が走る列車を待ち受けるようにぞろぞろと近づいてくる。いずれも男であり、イスラムの地でみてきたロングワンピースのような布を共にしながらの散歩である。

  一人、二人としゃがみこみ、まっすぐ目線を客車の乗客に注ぎいっぷくするように膝まづく。やがて一人、二人と立ち上がり元いた場所に戻っていく。すると、待っていましたとばかり、同じワンピースのインド人が緑の大木に歩み、しゃがみこむ。その連続した行動様式は絵になる一大イベントでもある。

 だが、人の動きだけに注意を向けてはいけない。人一人が立ち上がった後には朝糞がとぐろを巻いていただろう。それがアジアの最初の風景だった。