11月21日 イスタンブール ツーリストホテル8.5トルコリラ7㌦両替 253㌦
11月22日 ステューデントホステル7トルコリラ
11月24日 5㌦収入 258㌦
11月27日 アンカラ Yailホテル15トルコリラ
(記憶遥か)
寒い朝だったが暖房が利いて心地よい寝起きだった。外は薄暗く雪降る中をあえて松岡君とあったかい食材を求め宿を出た。寒さで身をすくめ、二人でウロウロするのが寝ざめにはちょうどいい。なにを、というものでもない。このイスタンブール旧市街・スルタンアフメットの裏町の石畳の路地を歩く。雪にまみれ、足元のつっかけサンダルの音を聞く時間があり、路地をまがって早々とパンが焼けるにおいを嗅いだ。
石窯がみえる小さな町のパン屋さんは朝の食材がそろっていた。フランスパンが木の平棒にのっかって次々と石窯からとびはねてきた。温かいフランスパン。それにガラスケースの白チーズと牛乳。松岡君と食材をかかえこの町一番の安宿にもどる。フランスパンを切って白チーズをはさみ一口食べて牛乳を飲む。その温かいカリッ、フワッとした噛みごこちとのど越しのヒンヤリ感が・・うまい。
11月27日
どうにか松岡君とアンカラに到着した。オランダ人のヴェラン君とギリシャ国境で走りこんできた南アフリカのジェニー君はイスタンブールからヒッチハイクで出発して大変だ。僕と松岡君は雪の影響を考えて長距離バスに乗ったのがさいわいした。それでもアンカラ50㌔手前の峠越えで自動車事故の渋滞にあって大変だった。
そろそろトルコから東京までお金の算段と日数を考えなければと思う。いずれにしてもアテネで安い航空チケットをステューデントカードで買えたのでにホッとした。インド・カルカッタ~タイ・バンコク~台湾・台北~東京経由で手に入れた。なのに好奇心が優先してしまいうろうろしている。
アルジェリア行きをめざしていたころ安宿で見知った日本人の旅行者とイスタンブールのホテルで再会した。彼の情報からトルコの暗部にあたるクルド人を知るのが面白いという話題にひかれた。そこでアルタリア高原のディアルバキルに行くことにした。松岡君はイスラエルに行くのでカイセリまで一緒に旅をすることになった。
再会したクルド問題にくわしい彼は運が良かったと言っていた。僕がシリアに向かった後、日本人のバックパッカー達は大挙、陸路イラン、アフガニスタンに向かった。アフガニスタンのカブールでは生野菜を食べたのがいけなかったのか、ほとんどが肝炎にかかってしまい、多くは日本に強制帰還の体だったという。
僕のうろつきはまだある。ネパールでトレッキングする計画だ。アテネであの登山家の話を一緒に聞いていた西ドイツの留学帰りの黒沢君と話があってしまい、2月9日にカトマンズのホテルで合流しようという話が決まっていた。
明日は朝早く起きて、天気が心配だがカイセリへヒッチハイクで行きたい。12月にはイラン。アフガニスタンのカブールでは落とした残りのチェックのドル収得がある。うまくいってもらわないとまづいことになる。
今日のアンカラ民族博物館はよかった。館内に入ると照明に映えた御影石がきらびやかで、ガラスケースのなかの文物、鉄のヒッタイト文化の神々しさやセルジュクトルコと現代トルコの民衆が着る織物の柄行の豊かさに感激した。この博物館はそのまま日本に来てほしいほどの素晴らしさだった。
それにしてもこの頃は、一人の女性がばくぜんだが恋しくなる。「今度はあなたと一緒に旅をしたい」とか、こう、づうづうしく思うのも旅の必然かなぁと思う。それと宗教に関する関心がますます強くなってきた。どういうことだろう。これからアジアに向かうにあたり考えてしまう。
*大きな国の小さな町*
寒い11月 外を見上げれば冬の星空
わたしはここにいる 大きな国の小さな町
大きく開かれた窓から町の灯がみえる
遠い山のすみずみまで築かれた家に赤い灯がともる
大きなビルディングに赤い灯がともる
雪はまた消えれば消えるほど
町の活気と冬の寒さを衿元にきずかせる
石炭のばい煙はわるくない 大きな国の小さな町
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