2009年1月4日日曜日

党政治学校は悪路を好むのだ

僕らは最悪の渦中にいた。
「学校が何しに、こんなところに」
相棒「教職員と一緒にピクニックに来たみたいよ」
荒削りな学校のあの先生、あの職員のパワーには度肝を抜かれていただけに、その正体露見は意外といわざるを得なかった。

見物時間は終わった。再びバスの時間だ。工事現場が観光コースになったダムと町並みに別れを告げ、道は快適な舗装路に変わった。そして、シャベルカーで削ったままの未舗装のくねくね路にさしかかり、バスは強引に突っ走った。デコボコのジャリ道に揺られ渓谷の谷道を探すようにバスは急勾配に差し掛かった。運転手の必死なギアチェンジの恢もなくエンジンが止まった。

その時の車内は目的地に向かう勢いで沸きかえっていた。その中で一人浮いていた運転手が硬いギアを願うようにローに入れた。両手でツルツルの頭を抱え、はたき、次には両手でギアに力を込めエンジン始動に集中する。二度三度繰り返すその必死な努力が実った。バスの発車が車内に沸き起こる拍手で迎えられた時、車のうなり声は再び祭りのリズムに乗った。

しばらくすると、赤ペンキで板書したキジル石窟の案内看板をバスは見つけ、ゴビの中を南に進んだ。 このゴビの道は干上がった川底を走るようなものだった。道は天山から押し出された堆積した土砂の厚い流出物の上を滑っていた。ムザルト川の断崖を眺望する大地の上に堆積した砂岩の塊は風と温度差、時に雨の恵みで地形を変える。それも長い時間をかけ、少しずつ変化する。今度はラクダ草も疎らな道なき道がしばらく続いた。

ここでは人為的な道作りは自然の流儀に任せるしかない。道の勾配も大地の自然の動きに任せ、タイヤの跡がこれを忠実にたどったとわかる。バスが上下に揺れ、川を望む断崖の道に差し掛かった。

眼下にムザルト川が陽に輝いている。南にはくっきりと褶曲した岩肌を残す対岸が連なり、褐色のまだら色が前面に広がった。川に沿ったチャール・ダク山の砂岩の岩肌を望みながら脆い崖道を舐めるようにして急勾配の坂道をバスはあえぐように登った。
崖を左にところどころに木戸で塞いだ洞窟が見える。ようやくバスは石窟郡にたどり着いた。砂埃が舞うじゃり道を駆け抜けるように眼下の緑の樹園を目指し、バスは一気に崖道を下った。

0 件のコメント: