2012年8月23日木曜日

ヒュッテ・ツワイザアムカイトの快と怪      240度の視界


盛夏の野尻湖は神秘さとにぎわいの準備が同居している。砂間館の桟橋から湖を240度俯瞰すると朝6時前の静かさは湖面全体を覆っている。が、芙蓉の花びらに似た野尻湖の四方の岸辺の情景は非対称の図絵を見る。


太陽が斑尾山あたりから昇り、西の湖面を射す。次第にそれが東に移っていく。その時間差はバランスの妙であり、季節感が西の盛夏の水遊び場から東の初冬の朝の絶妙な二面性をみせるから不思議だ。


元の野尻湖ホテルあたりからYWCA、旧藤田観光の飛び込み台あたりを初冬の朝と見間違ってしまうのは、湖の水温が低いためだ。もやがかかり、太陽が昇るにつれようやく夏の憂いをもつグレーの配色に落ち着く。それを消しながら湖畔の夏の朝は深い緑に変わる。

 

 

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