2024年11月21日木曜日

雪と紅葉 沿線に手をふるテレサ・テン ・・奥会津の旅


大志集落  奥只見


 小梢越しに粉雪が舞っている。バスの窓越しから鮮やかな紅葉が煙って見える。揺れる山並みをめぐってバスは今日のホテルに着いた。盆地を抜け、山道に入るまで今日は雨模様。会津の大内宿では紅葉にしだれ雨がみごとにマッチしておまけに気温は4℃から下がっている寒さ。寒気団がようやく東北まで下がってきたのだ。


雨に煙る 大内宿

大内宿の昼食は田舎づくしに暖められた。本道を左右に家々が密集するこの宿場町は日光と会津を結ぶ幹道だけに戊辰戦争の戦場にもなった。家々の風情は跡かたない姿になっても時代物の素朴な家のかまち、囲炉裏、大部屋等は良き農家のすがたをとどめていた。囲炉裏端で一休みして席に着くと年寄りが食べ物のうんちくを解説して笑いを誘う。中国からの観光客は大きな声で楽しんでもわれら都会人はサラッと回避して欄干の家族写真や地図、表彰状等につい見とれてしまう。「こちらの食堂は何と言います?」と聞けば山形屋、と会津弁で応え、それこそ丸ごと里に来た感じだ。


テレサ・テン ゆかりの残る唯一の町 三島町


翌日は、ツアーのハイライトになる只見線の乗降が待っていた。ミュージシャンかつ吞み鉄の六角さんが大好きな只見線は寒中の冬景色が理想だが、橋梁をわたる只見川と紅葉がしばし出遅れの紅葉狩りにピッタリの車窓旅だった。そして新しい只見線にスポットライトがあたった。会津宮下駅前に歌碑がつい数日前に建立した。宮下駅のある三島町のふるさとキャンペーンに若き歌姫、テレサ・テンが47年前に賛同し、地元と交流したその記念歌碑が没後30年の今年、弟さんも招いて建立の除幕式が行われた。歌碑のボタンを押すと「ふるさとはどこですか!」のテレサ・テンの歌声が流れる。どうせなら「時の流れに身をまかせ!」もいいなぁ・・でも「つぐない」は?「空港」もいいんじゃない、とおばさんたちの注文はうるさい。